体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養学

体育・スポーツ指導者と学生のためのスポーツ栄養学

【編著者】
 田口 素子 早稲田大学 スポーツ科学学術院
 樋口  満 早稲田大学 スポーツ科学学術院
【執筆者】
 海老根直之 同志社大学スポーツ健康科学部
 呉  泰雄 松本大学大学院健康科学研究科
 麻見 直美 筑波大学体育系
 木村 典代 高崎健康福祉大学健康福祉学部健康栄養学科
 小清水孝子 福岡大学スポーツ科学部
 酒井 健介 城西国際大学薬学部医療薬学科
 杉浦 克己 立教大学コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科
 高田 和子 (独)国立健康・栄養研究所栄養教育研究部
 内藤 祐子 国士舘大学体育学部スポーツ医科学科
 長島未央子 鹿屋体育大学体育学部スポーツ生命科学系
 藤田  聡 立命館大学スポーツ健康科学部
 松本 範子 天理大学体育学部
 松本  恵 日本大学文理学部体育学科
 横田由香里 仙台大学体育学部
【ISBN】 978-4-902109-32-0
【発行日】 2014年3月4日
【価格】 定価2,700円+税

 
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【序文】

 2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピックでは、日本選手に対して各競技団体やマルチサポートハウスにおける栄養サポートが展開され、過去最高数のメダル獲得に貢献したことは間違いないが、そこに至るまでに実践されてきた積極的な栄養サポートや食育活動があったればこそと思っている。そして、2020年の東京オリンピック・パラリンピックが決まった今、スポーツ栄養への期待と関心はますます高まってきている。
 ところで、スポーツ栄養学の実践領域では、この 10年余りの間にスポーツ栄養学の国際コンセンサスが提示されたり、公認スポーツ栄養士制度が立ち上がったりと、理論面でも体制面でも大幅な進歩があった。また、体育系大学でも栄養系大学でも「スポーツ栄養学」の授業が独立して行われるようになり、「スポーツ栄養学」はわが国においてスポーツ科学の中でも栄養学の中でも確固たる地位を得たと言える。
 これまでの「スポーツ栄養学」の授業では「新版コンディショニングのためのスポーツ栄養学」(市村出版)が教科書として多数採用され、公認スポーツ栄養士の養成講習会においてもテキストとして使用されてきた。しかし、スポーツ栄養学の発展につれてその必要性と実践についての知識や技術は、サポートする側とされる側で異なるものへと少しずつ変化してきている。体育・スポーツ系の指導者や学生にとっては、栄養素や食品をどのように摂取すれば競技力向上を成しえるかという、エビデンスに基づいた実践的・具体的な栄養学的ストラテジーに対する関心が高いと考えられる。
 一方、管理栄養士、公認スポーツ栄養士や栄養系大学の学生にとっては、栄養サポートを実施するうえで必要な手順や栄養・食事管理も含めた、より専門性の高いスポーツ栄養学の知識と技術の習得が求められるようになってきている。したがって、スポーツ栄養学が普及・定着した現段階において共通の教科書を使用するにはいささか不都合が生じており、体育系、栄養系の教育課程に学ぶ学生や指導者それぞれのニーズに即した教科書を用いる必要があると考えられる。
 そこで、本書は原則として、体育・スポーツ科学系学部に所属してスポーツ栄養学研究を積極的に展開している方々を中心に執筆していただいた。本書の執筆陣はご担当いただいた章の内容に対して各段に高い専門的知識と実践経験を持っており、それぞれがスポーツ栄養のエキスパートである。各章ともこれまでにコンセンサスが得られている知見に加えて日本人競技者を対象とした最新の知見も含め、理論面のみならず、日常の競技生活やコンディショニングにおいて実践可能な知識や方法が紹介されている。
 体育・スポーツ系指導者・学生の皆さんはもとより、公認スポーツ栄養士の方々にも本書を精読していただき、スポーツ栄養学の最新知識と技術を得るためにご活用いただきたい。そして、本書で学んだスポーツ指導者やサポートスタッフに支援を受けた選手や子どもたちが、2020年に東京で活躍する姿が見られることを願ってやまない。

2013年12月
早稲田大学スポーツ科学学術院
田口素子・樋口 満
 

 

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【目次】
 
序文

1章 運動とトレーニングにおけるエネルギー代謝 <樋口 満>

1. 運動・スポーツにおけるエネルギーと各種栄養素の補給の意義
2. エネルギー代謝とは
3. エネルギー源栄養素の補給:糖質と脂質の補給
4. さまざまな運動・スポーツにおけるエネルギー代謝
 (1) 最大運動の持続時間からみた運動・スポーツの分類
 (2) さまざまな運動・スポーツにおけるエネルギー供給システム
5. エネルギー代謝からみた運動・スポーツの強度とその指標:運動中の酸素摂取量と運動・スポーツの強度(METs)
6. エネルギー代謝に及ぼす運動・スポーツのトレーニング効果
7. 運動,トレーニングとエネルギー生産系における抗酸化機能
8. バランスのとれた食事によるエネルギー・栄養補給

2章 エネルギー消費量の評価とエネルギーバランス <海老根 直之・髙田 和子>

1. エネルギーの定義
2. エネルギーバランス:摂取エネルギーと消費エネルギーのつりあい
3. 1日の総エネルギー消費量の内訳
 (1) 基礎代謝量(BMR)
 (2) 食事誘発性体熱産生(DIT)
 (3) 身体活動によるエネルギー消費量(PAEE)
 (4) 運動後の代謝亢進
4. エネルギー消費量の測定原理
 (1) 直接熱量測定法
 (2) 間接熱量測定法
 (3) 呼吸商
 (4) オープンサーキット(開鎖循環式)とクローズドサーキット(閉鎖循環式)
5. エネルギー消費量の測定方法
 (1) 間接熱量測定法
  1) ヒューマンカロリメーター法(メタボリックチャンバー法)
  2) ダグラスバッグ(Douglas bag)法
  3) フロースルー法(フード法,キャノピー法)
  4) ブレス・バイ・ブレス法
  5) ミキシングチャンバー法
 (2) 間接熱量測定の原理に基づく方法(間接的な間接熱量測定法)
  1) 二重標識水法
  2) 心拍数法
  3) 加速度計法
  4) 要因加算法(活動ごとのエネルギー消費量を積算する方法)
6. エネルギーバランスの把握とその利用

3章 スポーツ選手の身体組成 <髙田 和子>

1. 身体組成のモデル
 (1) 段階別分類:身体の分解
 (2) 成分モデル
2. 身体組成の測定方法
 (1) 研究室レベルの測定
  1) 水中体重秤量法
  2) 空気置換法
  3) 二重エネルギーX線吸収(dual energy X-ray absorptiometry: DXA)法
  4) 水分法
 (2) フィールドレベルの測定
  1) 皮下脂肪厚
  2) 生体電気インピーダンス(bio-electrical impedance analysis: BIA)法
  3) その他の評価
3. スポーツ選手における身体組成データの活用
 (1) 体型の特徴づけ
 (2) 成長のモニタリング
 (3) トレーニングのモニタリングや目標設定
  1) 評価する部位と方法の選択
  2) プロトコールの決定
  3) 機材の準備と精度管理
  4) 評価方法を検討

4章 トレーニング後と試合後のリカバリー <酒井 健介・杉浦 克己>

1. 糖質によるリカバリー
 (1) 糖質補給の必要性
 (2) 運動直後の補給:タイミング
 (3) 運動直後の補給:グリセミックインデックス(GI)
 (4) 運動直後の補給:浸透圧
2. その他の成分
 (1) たんぱく質
 (2) 有機酸
 (3) グルタミン
3. リカバリーのための食事
 (1) 運動後の食事
 (2) 糖質摂取のガイドライン
 (3) タイムマネジメントの重要性

5章 試合前の食事 <小清水 孝子>

1. 遠征先食環境の情報収集を事前に実施する
2. 試合前調整期の食事
 (1) 食べなれた普段の食事を食べる
 (2) 食べる量を考慮する
 (3) ビタミン・ミネラル類を十分にとる
 (4) 食の「安全性」を最優先する
 (5) 便通を整える
 (6) 試合開始時刻に照準を合わせる
 (7) サプリメント摂取を考える場合
3. グリコーゲンローディング
4. 試合前日から当日の食事
 (1) 主食多め,主菜少なめで(糖質中心の食事)
 (2) ビタミンをとる
 (3) 脂肪は控える
 (4) 食物繊維は控える
 (5) 食の「安全性」を継続して考慮し,生ものは厳禁
5. 試合当日は試合開始時刻にあわせた食事・補食時刻を設定する
6. グリセミックインデックス(glycemic index: GI)
7. 競技種目特性別試合時のエネルギー・水分補給計画

6章 スポーツ選手のたんぱく質・アミノ酸摂取 <藤田 聡>

1. 単体のアミノ酸摂取による生理的効果と運動パフォーマンスへの影響
 (1) アスパラギン酸
 (2) グルタミン
 (3) NO合成酵素の基質:アルギニンとシトルリン
 (4) 成長ホルモンの分泌促進:アルギニン,リジン,オルニチン
 (5) タウリン
 (6) チロシン
 (7) β―アラニン
 (8) 全身持久力の向上:分岐鎖アミノ酸
2. 必須アミノ酸とプロテイン:骨格筋のたんぱく質代謝への効果
 (1) 食事と筋たんぱく質代謝:骨格筋のたんぱく質代謝とたんぱく質必要量
 (2) 必須アミノ酸による筋たんぱく質合成の調節
 (3) 一過性のレジスタンス運動によるたんぱく同化作用
 (4) アミノ酸と糖質の組み合わせによる効果
 (5) レジスタンストレーニングと組み合わせる際のアミノ酸摂取のタイミング
 (6) アミノ酸摂取による筋たんぱく質分解の抑制
 (7) スポーツ選手のたんぱく質必要量
 (8) たんぱく質の品質と筋たんぱく質代謝への影響
 (9) ホエイプロテインとカゼインプロテイン
 (10) 筋たんぱく質合成を高めるプロテインの摂取量
 (11) トレーニング期のサプリメント摂取による筋肥大への効果
 (12) 過剰摂取による副作用
おわりに

7章 スポーツ選手の骨の健康と栄養摂取 <麻見 直美>

1. スポーツ選手の骨の特徴
2. 骨の役割と運動(スポーツ)
3. スポーツ選手の骨の健康問題
 (1) 骨折と低骨密度
 (2) Female athlete triad(FAT,女性選手の三主徴)
 (3) 過剰運動の骨に対する影響
4. スポーツ選手の骨と栄養素等摂取
 (1) スポーツ選手の骨と食事バランス
 (2) 骨の代謝と栄養因子
  1) 骨とカルシウム摂取
  2) 骨とたんぱく質摂取
  3) 骨とエネルギー摂取
  4) 骨とビタミン摂取
  5) 骨とカルシウム以外のミネラル摂取
  6) 骨と抗酸化物質
 (3) スポーツ選手の栄養素等摂取状況
まとめ

8章 スポーツ選手の貧血予防と栄養摂取 <松本 恵>

1. 貧血とは
 (1) 貧血の種類
 (2) 貧血の症状
 (3) 体内の鉄分布と鉄栄養状態
 (4) 貧血症の血液検査
 (5) 貧血症の治療
2. スポーツ選手の貧血
 (1) スポーツ選手の貧血の種類と原因
  1) 希釈性貧血
  2) 溶血性貧血
  3) 鉄欠乏性貧血
 (2) 鉄栄養状態のパフォーマンスへの影響
3. スポーツ貧血の予防
 (1) 鉄欠乏性貧血の予防
 (2) 溶血性貧血の予防
4. 貧血予防と栄養摂取
 (1) 食品中の鉄
 (2) 鉄の生体内利用とその他の栄養成分の関係
 (3) スポーツ貧血とミネラル摂取
 (4) スポーツ貧血とビタミン摂取
 (5) 貧血とたんぱく質摂取
 (6) 鉄サプリメントの使用

9章 ビタミン・抗酸化物質と運動 <長島 未央子>

1. 脂溶性ビタミン
 (1) ビタミンA(レチノール)
 (2) ビタミンD(カルシフェロール)
 (3) ビタミンE(トコフェロール)
 (4) ビタミンK(フィロキノン)
2. 水溶性ビタミン
 (1) ビタミンB1(チアミン)
 (2) ビタミンB2(リボフラビン)
 (3) ビタミンB6(ピリドキシン,ピロドキサール,ピリドキサミン)
 (4) ビタミンB12(コバラミン)
 (5) 葉酸(プテロイルグルタミン酸)
 (6) パントテン酸
 (7) ビオチン
 (8) ナイアシン(ニコチン酸,ニコチン酸アミド)
 (9) ビタミンC(アスコルビン酸)
3. 活性酸素と抗酸化力
 (1) 運動と活性酸素
 (2) 生体内における防御機構
 (3) 酸化ストレスとメタボリックシンドローム
 (4) 喫煙と酸化ストレス・抗酸化力
 (5) 抗酸化物質を摂取するためには

10章 水分補給 <呉 泰雄>

1. 水分
 (1) 1日に必要な水分摂取量
 (2) 体内の水分分布
 (3) 体内水分の調節機構
 (4) 体内水分の重要な機能
2. 体温調節
 (1) 正常体温
 (2) 体温調節反応への影響因子
 (3) スポーツ選手に熱中症をおこす環境条件
3. 脱水
 (1) 体の水分不足による影響
 (2) 運動時に必要な水分補給の目安量
4. 暑熱適応
5. 飲料摂取
 (1) 汗の組成
 (2) 体内における水分の吸収
6. スポーツドリンク
7. 正しい水分補給を

11章 スポーツ選手のウエイトコントロール <田口 素子>

1. エネルギーバランスとウエイトコントロール
 (1) エネルギーバランスとは
 (2) エネルギーバランスの評価方法
 (3) 身体組成の変化と体重変化のエネルギーコスト
2. 減量
 (1) 現状と問題点
  1) 持久系または審美系スポーツ選手に多い日常的なウエイトコントロール
  2) 階級制スポーツ選手が試合前に行う急速減量
 (2) 減量に影響する要因
  1) 減量前の身体組成
  2) エネルギーバランスとエネルギー制限量
  3) 三大栄養素の摂取とエネルギー比率
  4) 食事の摂取パターン
 (3) 減量時の具体的な食事調整
  1) 目標設定の方法
  2) エネルギー密度を考慮した具体的エネルギー調整方法
3. 増量
 (1) 現状と問題点
 (2) 増量に影響する要因
  1) エネルギー付加量
  2) 脂質エネルギー比率
  3) たんぱく質の摂取
 (3) 増量時の具体的な食事調整
4. ウエイトコントロールにおける今後の課題

12章 サプリメントとエルゴジェニックエイド <内藤 祐子>

1. サプリメントとは
2. サプリメントの目的別分類
 (1) 筋肉づくりのためのサプリメント
 (2) スタミナ補給のためのサプリメント
 (3) 体重減少を目的としたサプリメント
 (4) コンディショニングを目的としたサプリメント
 (5) けがの回復を目的としたサプリメント
3. スポーツ選手の利用実態
4. サプリメント使用に際して考慮すべき点
 (1) サプリメントとドーピング防止
 (2) サプリメントのプラセボ効果
 (3) サプリメントの代謝活性
 (4) サプリメントと健康および安全問題
5. サプリメントの有効活用

13章 ジュニアおよび女性選手の栄養摂取 <松本 範子>

1. ジュニア期の発育発達と栄養摂取
 (1) ジュニア期(成長期)の発育発達
 (2) ジュニア期(成長期)の食事摂取基準
 (3) ジュニア選手と成人の栄養摂取との相違
 (4) 食育基本法
  1) 食事バランスガイドと食事のとり方
  2) ジュニア選手の1日の食事のとり方とエネルギー配分
 (5) ジュニア選手の減量
2. 女性選手の栄養摂取
 (1) 女性選手の身体的特徴
 (2) 女性選手の三主徴(female athlete triad: FAT)
  1) 摂食障害
  2) 無月経
  3) 骨粗鬆症
おわりに:男性選手の摂食障害

14章 スポーツ選手の栄養教育 <木村 典代>

1. トレーニング計画の中に組み込む栄養教育の流れ
 (1) チームやスポーツ選手の食事・栄養状態に関する課題の抽出
 (2) 食事・栄養面における長・中期目標の設定の方法
 (3) スポーツ選手個々の現状を事前および定期的に把握し(=アセスメントする),中期目標を見直す
 (4) 食事や栄養上の課題を達成するための期間設定
 (5) 長・中期目標に向けて具体的に指導者およびスポーツ選手が実施すべき内容を整理する
  1) スポーツ選手の行動計画(行動目標)とセルフモニタリング
  2) 指導者の取り組み
2. スポーツ選手に対する栄養教育
 (1) 栄養教育の実施と内容
 (2) 指導者のための食行動科学
  1) 食行動ステージの利用
  2) オペラント強化の利用
  3) 栄養教育方法の工夫

15章 スポーツ選手の食事管理 <横田 由香里>

1. 体調とスケジュールを把握する
2. 食事の基本的な考え方
3. 生活環境別食事のそろえ方
 (1) 家族と同居の場合
 (2) 一人暮らしの場合
 (3) 寮・合宿所生活の場合
4. 朝食のととのえ方
5. 昼食のととのえ方
6. 夕食のととのえ方
7. 補食の選び方
8. アルコールとの付き合い方
9. 合宿・遠征時の食事
 

 

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