健康・運動科学の理論と実践
大学保健体育テキスト
【編者】 横澤喜久子(東京女子大学 教授)
【発行日】 2009年4月10日
【ISBN】 978-4-902109-13-9
【判型】 B-5
【ページ数】 180
【図表】 多数
【価格】 定価 2,520円(税込)
送料無料!郵便振替ならお支払手数料も無料です!!
【はじめに】
健康が豊かな生活の土台になることは、昔も今も変わりません。今日、地球規模での自然破壊や、社会環境の変化は、からだやこころに多くのストレスを生じさせています。その中で、よりよく生きていくためには、個々人が、からだ、健康や身体運動についての科学的理解、身体的教養を深めることが必要です。私たちはからだもこころも動きも一人ひとり違います。それぞれが個性を把握し、育み、その人らしく生涯にわたる身体的自立を目指すことができればと願います。
大学生は自立し、主体的に生きる基盤をつくる重要な時期であり、ここで学ぶ基礎が生涯につながります。皆さんが学問し、教養を高め、ひとりで考え、行動し、自立していくにはまず、そのいのちの場である身体の知、身体的教養を大いに磨くことが望まれます。自然の一員である人間の生命(いのち)の成り立ち、からだ、健康、身体運動についての科学的理解、同時に、実践・経験することによって身体的教養を深め、自己表現する力を磨くことが求められます。人間はいうまでもなく、身体運動を抜きに生きていくことは出来ません。特に日常生活で動くことの少ない今日では適度な運動を行うことは健康な生活を営む上で重要なことです。しかし、運動すれば誰もが必ず健康に繋がるというものでもありません。運動のやり方を間違えば怪我や命取りにもなってしまいます。この基礎編では人のからだのメカニズムを学び、呼吸し、しっかり立ち、歩くという身体運動の礎となる基礎動作に始まり、文化的な身体運動・スポーツへと発展させています。私たちのからだは自然な存在であり、日々、変化しています。人は誕生してから老い、死に至るまで元気な時、怪我、病気の時、生きる力の弱まっている時等いろいろな状態になります。そうした変化するからだに向き合い、適切に生きる力を磨きたいと思います。健康・からだ・運動に関する基本的な大切なものをきちんと学んでほしいと考えます。また、私たちは健康・運動・スポーツの理論、知識を得るだけでなく、実践につながってこそ意味があると考え、方法論の研究、自らの実践、生活化へと発展に結びつけていくことができるように進めていきます。
健康づくりの3本柱としてまず、運動、栄養、休養があげられますが、私たちの健康は身体とともにこころの健康をなしには得られません。特に日常生活の中で身体活動の少なくなった現代社会にあってここにからだの原点に立ち戻って問い直し、健康なからだの基礎と身体運動について学んでいきたいと思います。
1990年代後半、大学教育改革の頃より大学体育教育のあり方、教育内容等の論議が進む中、多くの大学でそれぞれの大学の方針を打ち出し、大学体育を進めてきております。そうした中、「大学体育(健康・運動科学科目)は何を教え、学ぶことができるのか」を感覚的、経験的だけでなく、実態調査を行い、目に見える形で少しでも明らかにしていくことを目的とし、科学研究費補助金助成を受け、学生、教員、一般社会人を対象に基礎調査を進めてきました。こうした基礎調査をもとに、「これからの時代に体育、からだ教育に何が求められ、必要であるか」を検討し、ここに現代の大学体育での基礎編として最低限学んでおきたい教育内容を提示してみました。これからの大学体育、からだ教育の積極的資料にできればと考えます。
この授業は健康・運動科学科目の基礎とし、1年間必修科目(2単位)とし、からだ・運動・健康の基礎教育として講義・実習・実技の統合型の方法で実施しています。それぞれがからだの見方を広げ、生涯の身体観、運動観、健康観の形成の基礎を養ってほしいと考えます。さらに、健康・運動科学、運動文化論等の基礎理論の理解を高め、運動実践を通してわかる・理解することです。そのためには運動実践方法を知り、繰り返し行うことで身につけることが求められます。
本書はⅠ.健康・運動科学基礎理論、Ⅱ.運動実習、Ⅲ.スポーツ実習、Ⅳ.身体技法実習、の4構成になっています。
健康づくりは運動、栄養、休養の3本柱といわれます。本書は特徴の第1として健康・運動科学分野の特に運動を中心に取り上げています。大学体育を担当するそれぞれ専門分野の優れた先生方にご執筆いただき、一般的基礎内容に加えて、それぞれご専門分野からの基礎的なポイントを執筆いただいています。2番目の特長として、これまで当たり前のこととしてあまり取り上げられることの少なかった分野、私たちが生きている上で最も基本となる呼吸、また、ヒトを人間に進化させてきた「立つ」、「歩く」という基本動作、そして「人と触れ合う」、「踊る」等の運動法を取り入れていること、さらに3番目の特長として西洋型身体観、スポーツだけでなく、こころとからだのつながりを重視した東洋的身体観に基づいた身体技法を取り入れていることもあげられます。最後に誰もが知っておいてほしい基礎的資料を加えました。
生活、生きていくことに直接つながる健康・運動科学分野では科学的・客観的理解と同時に実践することによって経験的、主観的理解が求められます。授業によって各自が得た身体への理解、自分自身で計測した数値、運動実践、経験を自分自身でどのように捉え、感じ、理解したのかこの実習ノートにメモしておくことが重要と考えます。みなさんが変化していくからだを意識し、生涯の健康づくりに役立つように書き込み可能なものとしております。本書は1年生必修実習用のテキスト、ノートではありますが、そればかりでなく、それぞれの生涯の基礎健康・運動科学ノートとして活用し、さらに発展させ、より専門的な分野へと関心を深め、進めていただきたいと考えております。
横澤 喜久子
送料無料!郵便振替ならお支払手数料も無料です!!
【目次】
はじめに 横澤喜久代
Ⅰ.健康・運動科学基礎理論
[1] からだの見方 横澤 喜久子
- からだ
- 健康
[2] 生命の成り立ち 跡見 順子
- 水とマグマの惑星
- からだは細胞のすみか
[3] 脳・神経とからだ 大築 立志
- 上手な動作は良い脳によって行われる(脳による運動の制御)
- からだで覚えるとは脳で覚えること(練習と上達の脳・神経メカニズム)
- 運動は知的機能を向上させる(運動による脳機能の活性化)
[4] 身体組成 鳥越 成代
- 身体組成とは
- 身体組成を構成しているもの
- 身体組成測定
- 望ましい身体組成
[5] からだの機能 安松 幹展
- 呼吸のしくみ(呼吸によって酸素を体内に取り込む)
- 循環のしくみ(取り込まれた酸素を血液に乗せて全身に運ぶ)
- 筋収縮のしくみ(酸素などを利用して産生したエネルギーが筋を動かす)
[6] フィットネス 平工 志穂
- からだのフィットネス
- こころのフィットネス
- からだ、こころのコンディショニング 毎日自分でチェックしよう
[7] 運動の効果 八田 秀雄
- 運動と酸素摂取量、心拍数
- 運動のエネルギー源
- 持久的運動による効果
[8] 運動処方・トレーニング 太田 涼
- メディカルチェック
- ウォーミングアップとクーリングダウン
- トレーニング
- 運動処方
[9] 技術の習得理論、習熟過程—良い動きの獲得 磯川 正教
- 「よい動き」あるいは「スキル」とは?
- 「よい動き」や「スキル」を習得するためにはどうすればいか?
[10] 運動と安全 田中 英登
- スポーツ傷害の発生原因
- 救急・応急処置法の基本
- スポーツで起こりやすい傷害(障害)と応急対策
Ⅱ.運動実習
[1] 呼吸 平工 志穂・張 勇
- 胸式呼吸と腹式呼吸
- 吐くことが重要
- 呼吸はいろんな場面で鍵を握る
[2] リラックスする リラックス法 張 勇・平工 志穂
- 生きることはストレスを受けること
- ストレスに上手に対処する方法—リラクセーション
[3] 立つ、歩く 天野 勝弘
- 立つ
- 歩く
[4] 踊る、表現する 高橋 真琴
- 踊るとは踊りの動詞
- リズムムーブメントからダンスムーブメントへ
[5] コミュニケーションする 安松 幹展
- 人間知恵の輪
- ブラインドスクエア
- ブラインドウォーク
Ⅲ.スポーツ実習
[1] スポーツを楽しむ 蝶間林 利男
- スポーツと人間
- スポーツと文化
- スポーツとコミュニケーション
- スポーツマンシップ
[2] スポーツ実習
- 硬式テニス 森井 大治
- バレーボール 張 勇
- バドミントン 中山 紀子
- バスケットボール 寺田 佳代
- 卓球 張 勇
- サッカー & フットサル 松本 光弘
- アルティメット 足立 美和
- ユニホッケー 足立 美和
- インディアカ 張 勇
- トランポリン 伊藤 基樹
- ダブル・ダッチ 額谷 修二
Ⅳ.身体技法実習
- 伝統的中国養生法 張 勇
- 気功 張 勇
- 太極拳 張 勇
- 推拿 (chinese massage) 張 勇
- 鍵子(jian zi) 張 勇
- ヨーガ 足立 美和
- ピラティス・メソッド 足立 美和
送料無料!郵便振替ならお支払手数料も無料です!!
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 健康・運動科学の理論と実践
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.ichimura-pub.com/mt/mt-tb.cgi/31








レビューを書く