生涯スポーツと運動の科学
【監修】 森谷 絜(北海道大学教育学研究科 教授)
【編者】
上杉 尹宏(北海道東海大学国際文化学部 教授)
晴山 紫恵子(北翔大学短期大学部 教授)
川初 清典(北海道大学高等教育機能開発総合センター生涯学習計画研究部 教授)
【執筆者】
船越 三朗(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション 助手)
浜崎 博(京都薬科大学薬学部健康科学教室 教授)
花井 篤子(北翔大学短期大学部 講師)
服部 正明(北海道東海大学国際文化学部 教授)
広川 龍太郎(北海道東海大学国際文化学部 講師)
増山 尚美(北翔大学生涯学習システム学部 助教授)
三輪 浩二(北海道大学 情報科学研究科)
村岡 卓哉(北海道循環器病院理学療法科 科長)
中川 喜直(小樽商科大学 教授)
根木 亨(北海道循環器病院理学療法科 主任)
小田 史郎(北翔大学生涯学習システム学部 助教授)
下村 雅昭(京都女子大学家政学部生活福祉学科 教授)
侘美 靖(北海道文教大学人間科学部 助教授)
梅垣 明美(北翔大学短期大学部 講師)
渡部 成江(札幌市立高等専門学校 講師)
山田 秀樹(北海道東海大学国際文化学部 助教授)
山田 亮(北翔大学生涯学習システム学部 講師)
山本 敬三(北翔大学生涯学習システム学部 講師)
【発行日】 2006年4月18日
【ISBN】 4-902109-07-7
【判型】 B-5
【ページ数】 177
【図表写真】 154
【価格】 定価2,625円(税込)
送料無料!郵便振替ならお支払手数料も無料です!!
【まえがき】
―「生涯スポーツと運動の科学」監修にあたって―
近年、日本を含めて世界的に、長寿高齢社会を目指す「生涯スポーツ」の時代を迎えています。運動・スポーツは、身体的・精神的・情緒的・社会的安寧からなる「健康」の成立において必須のものと考えられます。個人にとっては、「やりがい・生きがい」をもたらす生活文化でもありましょう。運動・スポーツ科学の研究の深まりと実践・普及活動は今後ますますの隆盛期を迎えるものと考えます。社会経済的なゆとりが生まれる一方、運動不足になりがちな現代社会にあって、運動・スポーツの科学的解明が多面的に進み、健康を成り立たせる効果の機序も日進月歩で解明されてきました。生物である人間の長い進化の過程で、「身体運動」は食物を得るために、また個体や集団の安全のために、必要不可欠な活動だったと考えられます。自然にかえることなしに、私たち人間の安寧は得られないと考えますが、自然環境条件には、適応するのが容易ではない寒冷積雪、暑熱環境、日照条件などがあります。身体運動には、過酷なこれらの自然環境に人間を適応しやすくする効果も見いだされてきました。社会経済的発展によって生まれたゆとりを、すべての人が享受でき、運動・スポーツを楽しみ、その効果の恩恵に浴することができる社会システムの構築が望まれます。
本書は、3本の大きな柱で構成されています。第1の柱は、「運動の生理生化学」ともいうべき身体運動の機序について、第2の柱は、「生涯スポーツ :人間の生涯にわたる長寿にむけた運動・スポーツ」の理念や可能性について、第3の柱は「優れた生涯スポーツの実践例」です。いずれの柱も、広範な内容が、正確で創造的な工夫のもとに記述されています。新しい知識を確実に学ぶ人達のために有用であり、生涯スポーツの実践に取り組む人達も有益な情報を得ることができる新しい出版物を創ることを目指した結果です。時代が求める新しい図書の誕生になります。
私は30年の永い時間を、北海道大学教育学部・教育学研究科の健康スポーツ科学講座スタッフとして、教育と研究に携わってきました。その間に、「健康と運動・スポーツ科学」に関心をもつ真摯で熱心な研究者・教育者の方々に出会い、北海道の地で学問をこころざす人達とともに、充実した時間を夢中ですごしてきました。それらの方たちの中に、本書の編集にあたった川初清典先生をはじめとする多くの執筆者がおられます。監修という大役を仰せつかりましたが、本書は確実に、「生涯スポーツと運動の科学」として、新しい時代の要請に応える内容と考えられます。
2006年3月1日
北海道大学
森谷 絜
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【目次】
運動の科学~運動・スポーツとからだ~
1章 体力と健康 川初 清典
- 運動とからだ
- 体力の分類
- 健康と健康づくり
- 体力と健康のかかわり
2章 脳・神経系と運動~情報の処理と運動の起こり~
[1] 細胞の興奮<小田 史郎>
- すべての運動は中枢神経系が支配する
- 脳の構造と機能
- 情報伝達の基本構造
[2] 運動野・錐体路 <小田 史郎>
- 随意運動の仕組み
- 自動運動
- 反射
- 生涯スポーツと神経系
[3] 脊髄、脊髄反射 <三輪 浩二>
- 脊髄(運動単位)
- 脊髄反射
3章 筋と運動~エネルギー発生と筋収縮~
[1] 筋 <服部 正明>
- 筋の長さと力の関係
- 筋の収縮速度と力の関係
- 筋の種類
- 筋の形状と役割
- 筋の構造
- 筋収縮のメカニズム
- 筋収縮の特性
[2] 筋線維、運動単位および筋電図 <三輪 浩二>
- 筋線維
- 運動単位
- 神経-筋接合部
- 筋電図
[3] エネルギー発生のメカニズム <中川 喜直>
- 食物からのエネルギー
- 筋収縮の直接エネルギー
- エネルギーの産生
- スポーツにおけるエネルギー発生のメカニズム
- エアロビックとアネロビック運動の生涯スポーツとは
4章 感覚と運動~情報獲得のしくみ~ 川初 清典
- 感覚と運動
- 知覚・認知
- 発達と衰え
- 体性感覚
- 特殊感覚
- 内臓感覚
5章 呼吸・循環系と運動~酸素運搬のしくみ~ 川初 清典
- 呼吸
- ガス交換
- 酸素摂取量
- 運動時のO2摂取量と最大酸素摂取量
- 循環
- スポーツ心臓
- 循環系と健康
生涯スポーツ~「豊かさを広げるスローな「動き」~
6章 生涯スポーツ科学 川初 清典
- 生涯スポーツと健康づくり
- スポーツの生涯学習化
7章 成長・老化と生涯スポーツ
[1] 子どものスポーツ <梅垣 明美・晴山 紫恵子>
- 子どものスポーツと意義
- 運動と発育発達
- 運動遊びの意義
- 子ども期に育てたい能力
- 運動遊びの指導ポイント
- 動きづくり
- 野外と子ども
[2] 中高年者のスポーツ <侘美 靖>
- 中高年者における「生涯スポーツ」の意義
- 身体活動・運動・スポーツと健康増進効果
- 中高年者における運動の生活化
- 中年期の運動・スポーツ
- 高齢期の運動・スポーツ
8章 休養になる運動~生涯スポーツ~ 渡部 成江・川初 清典
- 休養の高度化
- 身体的休養と精神的休養
- 積極的休養と受動的休養
- 休養と生涯学習
9章 リハビリテーションスポーツと生涯学習
[1] 脊椎損傷 <増山 尚美>
- リハビリテーションとスポーツ
- リハビリテーションの手段としてのスポーツ
- 生涯スポーツ
- 競技スポーツ
- 車いすを用いたスポーツ種目の事例
- アダプテッドスポーツ
[2] 呼吸・循環器系
- 心臓病スポーツリハビリテーション実践例 <浜崎 博>
- 心臓リハビリテーションとしてのスポーツ種目 <下村 雅昭>
[3] 介護予防 <根木 亨・村岡 卓哉>
- マシントレーニングの特徴
- マシントレーニングの実際
- 「介護予防」の課題
優れた生涯スポーツを実践
10章 水と健康~水泳・水中運動~ 花井 篤子
- 健康づくり・生涯スポーツとしての水泳・水中運動
- 水の特性が身体や健康に及ぼす影響
- 水泳・水中運動処方の実際
- 水泳・水中運動の新たな展開
11章 冬を観る~歩くスキー・スノーシュー方法、ツーリング~
[1] 歩くスキー・スノーシュー方法、ツーリング <山本 敬三・晴山 紫恵子>
- 歩くスキー
- スノーシュー
- ツーリング
[2] 冬の森林観察 <船越 三朗>
12章 野越え山越え~ウォーキング、ジョギング、トレッキング~
[1] ウォーキング,ジョギング <広川 龍太郎>
- 生涯スポーツとしてのウォーキング,ジョギング
- “歩行”,“走行”のメカニズム
- ウォーキング,ジョギングの身体的効果
- ウォーキング,ジョギングのフォーム
- トレーニングウェアとシューズ
- オーバートレーニングによる障害
- ウォームアップ・クールダウン
- 心拍数の測定
- 実践する場所
- はじめるにあたって
- 身体との対話
- 大学生の実践学習
[2] ノルディックウォーキング <三輪 浩二・上杉 尹宏>
- ノルディックウォーキングとは
- ノルディックウォーキングの効果
- ノルディックウォーキングの実施環境
- ノルディックウォーキングの実践
[3] トレッキング <川初 清典>
- 特徴
- 服装・装備
- 場所・コース
- 動力登山
- ヨーロッパ人のトレッキング
13章 野外の暮らし~キャンプ~
[1] 野外活動の効果 <山田 亮>
- 子どもの生きる力をはぐくむキャンプ
- これからのキャンプ
[2] 野外活動とヒトのこころ <山田 秀樹>
- 野外活動の研究動向
- キャンプと感情
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